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SAVE THE CATまとめ(2)ジャンル

      2 ジャンル

どれも違う映画のアイデアなんてまずありえない!僕らが書こうとしている脚本は必ずどこかのジャンルに入る。各ジャンルにはそれぞれ特有のルールがあり、それを熟知してひねりを加えることができれば、売れる可能性は高くなる!

どのジャンルに属するのかを知ることは重要な事だ。なぜなら、書いてる途中で道を見失うことがあるからだ。そうなった場合は、同じジャンルの作品を参考にし、プロットや登場人物からヒントをもらう。

次に挙げる10種類のジャンルはいわゆるコメディーや伝記物といった分け方ではない。肝心なのはストーリーの本質を踏まえた上での分類であること。

 

     家の中のモンスター

このジャンルの構成要素

・モンスター。

・逃げ場のない家。

・モンスターを殺したがっている人間

根底にあるのは「危ない!・・奴に食われるな!」誰にでもわかる単純で原始的なルールである。

ルールは家に逃げ場がない空間である、例えば海岸線の町や宇宙船の中など、そこで犯罪が起きたとする。大抵の原因は人間の金銭欲や物欲などの貪欲さにあり、その結果モンスターが生まれる。モンスターは罪を犯したやつに復讐をしようとし、罪に気づいた人間は多めに見る。それ以外はとにかく走って逃げ隠れる。このモンスターに新鮮味やひねりを加えて、あっ!と言わせられるかが腕の見せ所だ。

 

              金の羊毛

主人公は何かを求めて旅に出るのだが、最終的に発見するのは別のもの=自分自身のストーリー。旅の途中で人々と出会いさまざまな出来事を経験して、主人公にどんな影響を与えるかがプロットになる。成長がテーマとなっていて進んだ距離ではなく、どう変化したか。そこに観客は前身と進歩を感じる。

どんな人に出会い、何が起き、どんな変化が起こるかを考え、変化が主人公にとって意味のあるものにするのは脚本家の仕事だ!

 

           魔法のランプ

主人公は酷い扱いを受けていることが多く、だからこそ主人公の願いが叶い、幸せになってくれることを願う。けれど人間の性としてどんなに哀れで動揺できる主人公であっても、成功し続けると鼻につく。だから最終的に魔法よりも普通の人間に、つまり観客と同じ人間、なのが一番だと気づくようになっている。最後には「一番大切なのは道徳に適った行いをすることだ」という教訓が用意されている。

願いの代わりに呪いが叶うというパターンもある。主人公を一度懲らしめた方がいい奴なのだけれど、最後には多少の救いが必要。でも救ってやるやる価値が多少あることを多少あることを最初に示す必要がある。

どちらでも主人公に魔法が(呪い)かかり、最終的に勝利を納めるのである。

 

 難題に直面した平凡な奴

このジャンルの定義は、どこにでもいそうな奴がとんでもない状況に巻き込まれる。観客はたいてい自分が普通の人間だと思っているからついつい同情してしまう。

このジャンルの要素は

・主人公が観客と同じ普通の人間

・勇気を振り絞って、解決しなければならない問題に直面した

うまく展開するには、大問題と悪い奴が必要。その悪者が悪ければ悪いほど主人公の行動は素晴らしく、勇気あるものに見える。徹底的に悪くする!主人公は個性や知力を駆使して、何倍も強力な敵に立ち向かい勝利するから、感動が生まれる。

 

            人生の節目

主人公がつらく苦しい経験をくぐりぬけて初めて解決策を見いだす。モンスター(問題)が忍び寄り主人公はその正体を段階的に気づき、コントロールできない不可解な力を受け入れていく。そして最後に笑えるようになったとき、勝利は訪れる。

人間誰だって、人生の節目に何かしら辛い経験しているもの。そういう時期は精神的に敏感だから、印象もことさらに強烈だ。

 

         バディとの友情

(バディ)はお互い嫌っているが、旅をしていくうちに相手の存在が必要で、二人揃って初めて一つの完結した存在になる。ここで新たな葛藤が生まれ、連れ去ったバディと喧嘩になる。しかしお互いなくして生きていけないと、お互いエゴを捨てて覚悟を決める。

きっかけとなる(存在)がバディの人生に影響を与え、去っていくパターンかなりの割合を占める。

 

      なぜやったのか?

金の羊毛とは違って主人公の変化を描くわけではない。犯罪が事件として明るみに出た時、その背後にある想像すらしなかったような人間の邪悪性が暴かれるジャンル。

探偵モノや社会はドラマなどに共通項がある。観客を人間の心の闇へと連れて行き、スクリーン上の探偵が観客の代わりに謎を解くかのように見えるが、真相を突き止めるのは観客自身だということだ。そして最後には、意外な結果に衝撃を受ける。

秀作と呼べるものは私たち自身の心のレントゲン写真をスクリーンに映し、自分たちはこんなに邪悪なのか?と問いただしている。

ポイント

・探偵がどういう風に観客の代わりをしているか

 ・登場人物の心の闇を探ることが観客自身の内面を探ることになるか

 

             バカの勝利

負け犬のバカに対してもっと大きくて権力の悪者、たいていは(体制側)という存在する。ところがそんな(バカ)が、体制側の連中をヤキモキさせるのを見ると、観客にもなんだか希望が湧いてくる。しかも神聖で立派な体制や組織であっても容赦せずおちょくり、コテンパンに批判する。賢者である賢いバカのストーリは、社会のアウトサイダーの人生でもあるアウトサイダーが勝利をすると勝利をすると、観客も自分が勝利したような快感を味わう。

必要な要素

・バカな負け犬

・バカでまぬけで無能に見えるため成功するとは思わない奴

・バカのたくらみもうまくいくとは思っていない仲間。

 

             組織の中で

主人公は自分の属す組織に誇りを感じる一方で、組織の一員として生きるために自分らしさや、アイデンティティーを失うというう問題を抱えている。そしてどのストーリーにも予期せぬ登場人物が現れ、集団の目的は欺瞞であることを暴く。個人よりも集団を優先することの是非を描いている。

ストーリーは新しく組織に入ってきた新人の視点から語られる事が多く、観客は組織に関して何も知らないという点でこの新人と同じ立場にある。

集団に対する忠誠を誓えば、人は常識を逸脱した行動をしたり、自分の命をささげざるおえないときもある。登場人物の行動は、観客自身の行いを映しているようなもの。

要するに、「俺とあいつらとどっちがいかれているか?」である。

 

       スーパーヒーロー

(難題に直面した平凡なやつ)の対局にあり、正反対の定義が当てはまる。超人的な力を持つ主人公が、ありきたりで平凡な状況に置かれる。

問題が起きるのは、ヒーローのせいではなく、その周囲の人間んたちの心の狭さのせいで、それゆえヒーローは周囲の人間から理解されないヒーローにとって、特別な存在でいることは辛いのである。

人と「違う」とはどんなことか、独創的な考え方や素晴らしい能力を妬む凡人と向き合わなければならないとはどういうことか、観客が共感できるように描く。

 

 

 

ジャンル分けする目的はあくまでもストーリーを効果的に語るため。

 

脚本を書いているうちに

・パクリ

・お決まりのパターン

・やり方

これらがあるなら新しい方法を考えるべきだ。苦労はつきものだ!

でもまずは、お決まりのパターンを使いたくなる理由と利点、書いたいジャンル特有の言語・リズム・目的をきちんと理解しておくこと。。しっかり理解して応用ができれば、そういったものに制約されている感覚がなくなる。打ち破りたいものを理解してはじめて、本物の創造性を発揮できるのだ。

 

 

SAVE THE CAT(3)主人公 に続く